習近平政権の中国

情勢分析レポート

習近平政権の中国

取り寄せ不可

出版社
アジア経済研究所
著者名
大西康雄(アジア経済)
価格
1,650円(本体1,500円+税)
発行年月
2013年8月
判型
A5
ISBN
9784258300198

2012年11月の中国共産党第18回全国代表大会は、党最高指導者グループが10年ぶりに大幅交代する重要な節目であったが、それ以上に、世界第2位の経済力を備え、軍事力を背景に強硬外交を展開して国際社会に大きなインパクトを与えていた中国という国家の行方を占う意味からも注目を集めた。おりから、日本政府による尖閣諸島国有化(同年9月)をきっかけに日中関係は急激に悪化しており、中国の新政権をめぐるさまざまな議論が繰り広げられていた。
その後、2013年3月には中国で第12回全国人民代表大会第1回会議が開催され、国家主席をはじめ閣僚人事が決定され、新政権の陣容が明らかとなった。本書では、その人事分析に加え、同会議で打ち出された諸政策の検討を行い、あらためて政権の今後について展望を試みた。全体の構成は二部からなる。まず前半では、序章で前政権が残した課題を総括し、第1章で新政権の政治的リーダーシップの今後を予測、第2章で経済運営の課題を短期と中長期の視点から分析し、第3章で外交政策決定の構造的変化を検証する、などマクロ的展望作業を行った。続く後半部分では、第4章で大幅に変わった軍の指導体制を多角的に検討し、第5章では停滞する国有企業改革の現状とその原因を分析、第6章で社会保障制度改革の到達点と課題を整理する、など政権にとり重要な個別課題について掘り下げた分析を行っている。
もとより、本書で試みた分析だけで中国の今後を占うことには限界がある。中国は巨大で複雑であり、何よりも現在、急激な変化の只中にある。しかし、各筆者の努力により、展望作業を行うにあたって逸することのできないポイントを提示することはできたのではないかと考える。大方の読者のご叱正を待ちたい。

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