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香り高い歌が拡がる。
天使の都から日本のオフィスまで、
現代の言葉が世界を駆け抜ける。
加藤治郎
自選短歌五首
こいびとは遠き日曜 電磁波の時雨に濡れてきみはいまごろ
勝ち負けは淡くあのこはもういないそろり足首ひたす泥濘
山間部および都市部はおよそ雨、NR(ノーリターン)とあるホワイトボード
たった今排出されたファックスの微熱ばかりがいとしい夜だ
激しくも西日射し込むこの部屋で全世界色見本帳繰る
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