取り寄せ不可
身分制社会秩序の根拠に迫る実証的研究。
▼1517年、ルターの『九五箇条の提題』を契機として始まった宗教改革運動は、腐敗した教会に厳しい批判を投げかけるとともに、聖書そのものに立ち戻ることを訴え、またたくまにヨーロッパ全土に広がった。この運動は、人々を良心の自由、宗教上の内面的自由に目覚めさせ、近代への扉を開く重要な契機になったと位置づけられている。しかし、この運動の影響下に闘わされた農民戦争にも拘らず、農奴たちの解放は「啓蒙の18世紀」を俟たねばならなかった。それはなぜなのか。本書は、神学と農奴解放思想とのかかわりを思想史的に検討し、国制史、社会史研究の観点から農奴制の実態を実証的に明らかにすることで、近代ヨーロッパ成立の根幹に位置するこの問題に答える、重厚な研究書である。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。