進歩主義教育の終焉

進歩主義教育の終焉

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出版社
知泉書館
著者名
ロイ・ロウ , 山崎洋子 , 添田晴雄
価格
6,600円(本体6,000円+税)
発行年月
2013年6月
判型
A5
ISBN
9784862851574

〈進歩主義教育〉とは子どもを理解することへの責任,教育内容や教え方を選ぶ「教師の専門性」に裏づけられた「教育の自由」や「子ども中心」の教育をいう。
第二次大戦後,イギリスでは教師がカリキュラムの内容と教え方を決めていたが,そのような教育的状況が政治的・社会的影響により,保護者や中央政府など外的な力が教育の本質を規定する状況へと変わった。
20世紀始めに台頭した進歩主義教育は1944年教育法により勢いを増したが,マッカーシズムのなか,カリキュラム論争や能力別教育が主張された。60年代から70年代に能力別学級編成の廃止,中等学校の総合制化,新しい教授法が展開される一方,黒書運動により子ども中心の教育への疑念や平準化批判が行われ,70年代中頃には教師への不信感や教育効果の疑念が強まり,労働党政権は教育費の効率的運用,教育水準の保証を主張して右傾化した。
1979年誕生のサッチャー政権は,保護者と教育科学省の権限強化,学校査察業務と試験改革を断行。1988年教育法が成立すると,保守党急進右派の政治権力は絶頂を極め,教育を管理する国家の姿勢を鮮明にした。教育水準局の新設,教育の民営化,特色ある学校経営,教育組織の官僚制化が進み,教育の国家管理と教師の自由裁量のバランスは崩された。1997年の労働党政権移行後も政策は継承され,競争原理と市場主義が定着し,教師の大量流出,学校間格差は拡大し,親や政府の要求と圧力はますます高まっていった。
本書は教師の専門性に対する政治的・社会的介入というポリティクスを初めて総合的に考察した貴重な業績である。

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