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前夜を生きる。
廃墟と化した現代短歌に、この青年は
何を提案しようとしているのだろう。
加藤治郎(解説より)
<自選短歌五首>
全身が痺れるような提案のキラーフレーズ浮かばぬ夜は
配管のうねりを闇にみるばかりみな吊革に腕を垂らして
たましいのごとき一枚ひきぬけば穴暗くありティッシュの箱に
ひとりぶんの灯りの下でキーに打つ変更後機器明細三〇〇〇行
追い越してゆく追い越してゆくタクシーは真夜の光を追い越してゆく
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