イデアと幸福

イデアと幸福

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出版社
知泉書館
著者名
栗原裕次
価格
5,500円(本体5,000円+税)
発行年月
2013年5月
判型
A5
ISBN
9784862851543

プラトンの〈人間=対話的存在〉について,初期対話篇の批判的性格と中期対話篇の探究的性格を通して解明する。
プラトンは初期著作で,人々の誤った自己理解を問答論駁法によって吟味し批判するソクラテスの姿を描くことで,人間とは対話的存在であることを示した。根拠のないドクサに安住して生きるならば,その一生は欺瞞と誤謬に満ちたものになる。哲学とは誤ったドクサ(思い,信念)を除き,真実に気づかせ,正しいドクサ(自己認識)へと導く一連の対話的営みである。吟味なき生は人間にとって生きるに値しないと言える。
プラトンは中期著作で哲学を〈イデア〉の共同探究と性格づけ,対話的存在たる人間のもう一つの姿を明らかにした。プラトンは「もの」をどう認識するかについて,感覚および認識者自身や一般に信じられていること(ドクサ)を介して出会う場合,さらに何も介することなく直接的に「もの」と出会い,その本質を学ぶ経験とに分け,この経験において認識の対象となるものを〈イデア〉と呼んだ。このイデアの存在の鍵を握るのは〈学び〉のリアリティである。「学ぶ」ことを実感するかぎりイデアは存在すると確信できる。イデアの存在を認めない人は,学びの可能性を信じられず,ドクサに盲従して暮らすことになる。
正義や節制という徳を学ぶ人はイデアを言葉(ロゴス)として内化し,イデアとの出会いがその人のあり方を決め,その人の魂を形づくり,最大の善,幸福をもたらす。
哲学するとは人間が幸せになるためにかけがえのない営みであるとして,著者は哲学の原点を示した。

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