宗達・光琳と桂離宮
"現代に続く美の系譜“琳派”を存分に味わう
現代美術にも多大な影響を与え続け、世界中から愛される流派となった「琳派」。俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一といった画家たちが、江戸時代に約100年ごとに血縁や師弟関係ではなく「私淑」で繋がり広がったこの系譜を、国宝『風神雷神図屏風』『燕子花図屏風』などの代表的絵画作品はもちろん、本阿弥光悦『舟橋蒔絵硯箱』、野々村仁清『色絵雉香炉』といった工芸作品、さらに近代に活躍した図案家神坂雪佳の作品『百々世草』まで取り上げ、一冊で体感できる内容にしています。光悦と宗達のタッグで生まれた和歌巻、金地屏風に描かれた季節の草花、高度な墨技が光る水墨画、卓越したデザイン感覚―― 美のワザと精神がどのように受け継がれ、翻案され、現代に生かされているのかがページをめくるごとに楽しみながら理解できます。とりわけ、近年注目が集まっている江戸の画家、酒井抱一と鈴木其一の作品を17点掲載。京都の金地屏風に対し抱一が好んで撰んだとされる銀地屏風に広がる静謐な世界や、抱一の弟子である其一のクールで理知的な世界を堪能できます。同時に、当時の宮廷文化の美意識をうかがえる建築『桂離宮』『修学院離宮』も加えて紹介。
【編集担当からのおすすめ情報】
責任編集を担当した安村敏信氏は、1979年から東京・板橋区立美術館に勤務、今年3月まで同館館長を務めた""名物学芸員""。親しみやすい解説で誘導するなど展示会場作りにユニークな視点が光り、著書に『美術館商売』などがある。このヒトが監修で、難しい本になるワケがない!"
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