南満州鉄道沿線の社会変容

新潟大学人文学部研究叢書

南満州鉄道沿線の社会変容

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出版社
知泉書館
著者名
芳井研一
価格
5,720円(本体5,200円+税)
発行年月
2013年3月
判型
A5
ISBN
9784862851505

アジア太平洋戦争期までの南満州鉄道沿線の社会変容の動態を明らかにするため,鉄道延伸をめぐる葛藤,都市形成と社会的生活基盤の整備,農村変容と労働力動員という三つの側面から検討する。
満鉄は沿線住民に安定した大量輸送手段を提供し,鉄道を通して人と物の新たな流れがつくられたことで地域社会は大きく変容した。しかし住民にとって,鉄道の敷設は生活の向上や利便性とともに新たな抑圧や差別を持ち込むという二面性を有していた。とくに第一次世界大戦後,解放運動の影響のもと人々は「生活の発展」すなわち生活基盤として安定した労働収入や教育,医療・衛生のほか道路や上下水道,公共交通の整備などに強い関心を示した。
これまでの東北地域史や満鉄史,植民地支配史の研究では日本の「満蒙」政策を地域社会変容との関係に即して検討することが少なく,また膨大な史料群のほとんどは,満鉄調査部,満州国政府,関東庁,あるいは外務省文書など日本側の史料に依存していたため,在地社会に根ざした視点からの研究は乏しかった。
中国の第一線の東北史研究者の参加を得て,東北地域史の視点に立って埋もれていた史料や新資料を活用し,地域社会における植民地的な従属や抑圧の実態を末端の村や労働者のレベルで明らかにする。ロシア,中国,日本の複雑な国際関係を背景に近代の日本は満鉄とその付属地を膨張の拠点にして,植民地支配の有力な手段としたが,本書はその下で生きる住民たちに光をあてた画期的な業績である。

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