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児童労働は、全体として徐々に減少しているが、10代後半の子どもの危険有害労働が増加しているなどの新たな問題も生じており、より焦点を絞った対策が求められている。そのような状況下で、子どもやその雇用主のみならず、かれらの周囲にいる人々の意識や能力を高めるさまざまな形態の活動が実施されている。このような新しいアプローチは、これまでも児童労働撤廃に取り組んできた NGO によって採用されているのに加え、従来存在しなかった、認証タイプおよびアドボカシー・タイプの市民団体という新しいアクターの活躍によって、大きな力を得ている。国際機関も、児童労働撤廃のための規範形成や、その規範実現のための活動を、今なお活発に展開しており、それに加えて二国間協力が、児童労働撤廃に向けた新たな活力を与えている。さらには、これらのアクターの活動をすべて連動させるマルティ・ステークホルダー・アプローチが、地域ごとに機能する可能性が、ガーナのカカオ産業の例で示されている。
世界のすべての子どもに教育の機会を与え、かれらに人間的な「子ども期」を確保するための取り組みとして、新しいアクター、新しいアプローチが誕生し、新たな活力源となっているのは、非常に心強いことである。本書はこのような新しい動きを読者に伝えることにより、多くの人々の参加を促すことで、児童労働撤廃という世界目標が、さらに推進されることを期待するものである。
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