取り寄せ不可
周知のように300年ほど前に建てられた「中村家住宅」は農作物や祭りの場として村人から親しまれてきた豪農の典型的な住居である。この家造りは風水の思想を体現しており、筑紫哲也が「踏水 抱山」と賞賛したことでも知られる。鶴さんは3年もの間、安谷屋から通い続けて一連の作品をまとめあげた。作品をながめると、小さいころ中村家の近くに住んでいた者には、次のような思い出と重なる。
南面する「正門」を通り、ヒンプンを東に庭(ナー)に入り、「離れ屋敷」・「母屋」へ。「高倉」の脇を過ぎ「台所(トングァ)入り口」から「古酒甕のある部屋」に入る。他の悪ガキは抱護林の福木の下から井戸(カー)の側を通り、「豚小屋(フール)の見える赤瓦屋根」の西台の高台まで一気に駆け上がる。少年たちの「エー、マクドー」(おーい、こっちだぞ)、「マッチョーケー」(待ってくれー)などの歓声が聞こえる。ヒロ、ノリ、シゲらの級友たちが遊びに興じている。作品の一つ一つにはストーリーが隠れている気がする。
-序文(北中城村文化協会会長 川上辰雄)より抜粋
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