取り寄せ不可
この小さな作品集を作るに当たり気が付いた事は、結局何を描いても私は私自身の自画像を描いて居たのだと言う事である。挿絵や宝くじの仕事を除けば、何を描いてもほとんどその時の私自身がそこに描かれて居た様に思う。ある時期無理して描いた作品群もまた、その時の私自身の消しようもない自画像でしかなかった。
1983年あたりから絵で人間の一生を描くことが出来ないだろうかと、あるきっかけから思うようになった。そのテーマとして老人を取り上げたのは、そこに人間の一生が凝縮されて入っていると思ったからであり、そこに美に匹敵する大事なものがあるに違いないと、感じたからであるが、その何たるかを解き明かすことが出来ないままここまで来てしまった。もうそれを探すに足る時間も力も私には残されていないだろう。今は唯愚鈍に描き続ける事しかないと思っている。ここにささやかな画集とも、回顧録ともつかないものを作り足跡を振り返ってみた。
-あとがきより
宝くじの原画でも知られる瀬川明甫の回顧録的作品集。絵で人間の一生を描くことは出来ないかと描き続けた、老若男女の顔・顔・顔・顔
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