魂について

魂について

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出版社
知泉書館
著者名
アブー・アリー・アル・フサイン・イブン・アブドゥッラー・アル・カ , 木下雄介
価格
7,150円(本体6,500円+税)
発行年月
2012年10月
判型
A5
ISBN
9784862851413

"イブン・シーナー(980-1037)により,11世紀初頭にアラビア語で書かれた『治癒の書』は,論理学や自然学,数学,形而上学など多くの学問分野を体系的に論じた大部の著作である。イスラーム哲学史上,決定的に重要な作品であるが,主に自然学と形而上学が12世紀から13世紀にかけてラテン語訳され,ヨーロッパの思想界にも多大な影響を与えた。そのうち『魂について』は50の写本が残っている。
本書で扱われる魂の議論は,アリストテレスやアレクサンドリア学派の影響を受けて自然学と形而上学の二分野にまたがり,肉体とのつながりは自然学で扱い,死後の魂は形而上学に分担されている。アリストテレスは知性の不滅性について深くは言及しなかったが,イブン・シーナーは魂論の根底にその不滅性を据えて,非物質的知性が死後も個体として存続するとしてアリストテレスを否定した。
『魂について』が哲学史に与えた論点として,空中人間論,内的感覚論,評定力,預言論,能動知性論などがある。なかでも内的感覚論は受容されたが,能動知性論は激しい批判を受けて,抽象的認識論や直感的認識の理論に結実した。
12,13世紀における西洋の文化発展はギリシア語,アラビア語,ヘブライ語の翻訳によるところが大きい。『魂について』における見解がアリストテレスの意見とされたり,アリストテレスの魂論になくてイブン・シーナーの魂論に付加された論点など,多くの研究課題が残されている。その意味で本訳業は学界にとっても記念碑的な業績になろう。"

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