いくたびも死線を越えシベリアより帰還し、復興する沖縄に立つ名もなき人々を撮り続けたリアリズムの職人。〈生き残り〉の責を胸に秘し沖縄戦後写真とともに歩んだ大正生まれの写真家が失われてゆく風景の中に繋がれる命を刻む〈スナップ=魂込み〉の世界。
山田實
1918年、沖縄生まれ。明治大卒。44年、召集・関東軍入隊。満州で終戦を迎え、シベリア抑留を経て52年、沖縄に帰還、山田写真機店開業。二科会沖縄支部・沖縄ニッコールクラブ・沖縄写真連盟の設立に尽力する。写真集に『子どもたちのオキナワ1955-1965』(2002年、池宮商会)、著書に『山田實が見た戦後沖縄』(2012年、琉球新報社)。
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