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ただのおおらかさではない。彼女は、失敗者たちをもじっと見つめる。克服してきた自分自身の姿がそこにあるからだ。小さな歌を書く人々は、もちろん弱者たちを描いて優れた歌を紡ぐが、大きさというものはそれをも含むことができるのだ。
特攻の少年兵に かくれんぼの
泣く 仲間は
彼が生命を奪ったであろう 必ず探しだそう
艦上の兵士に 忘れられた子は
泣く 何時までも鬼を待つ
そこが出発点だからであろう。だからこそ、立ち上がる歌があり、不屈な歌があり、明るさゆえの孤独があり、かちえた自由のなかでの戸惑いがある。精神と心の複雑と単純のすべてが表現されて、歌集という総合体となっている。大きな完成である。しかし、その単純と複雑の極をさらに透過して、創作活動は続くと思う。(草壁焔太氏跋文より)
華やかでぐいっと夏空に立つひまわりは、作者の象徴のよう。
ひまわりがゆえの孤独。そこまでの道のりを自分の足で歩き、自分の頭で考え、自分の心で決めてきたのだと感じる。
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