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成蹊学園創立者、中村春二の父で、明治時代に歌人・国文学者として活躍した中村秋香。秋香は『落窪物語大成』を著した国文学者、宮内省歌所寄人をつとめた歌人としてわずかに知られるが、文学的には明治の新体詩人(新体歌人)としての活躍が注目される人物でもある。日本に於ける近代詩は明治15年に出版された『新体詩抄』に刺戟されて和歌(長歌と短歌)の改良運動が始まったとされる。そうした改良体の長歌を「新体歌」と名づけて推進しようとしたのが中村秋香にほかならなかった。
本書には明治の時代精神とでもいうべきものが濃厚に匂い立っている。一言でいえば、国家主義(ナショナリズム)と道徳主義(モラリズム)の鼓吹である。こうした要素を近代詩の出発点の中に正当に位置付けるのは、実は必ずしも容易なことではない。しかし、それらが近代詩の出発点における重要なテーマであったことを無視しては、日本近代詩の姿を正しく把握することはできないであろう。(本書「序・揖斐高」より抜粋)
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