東南アジアの比較政治学

アジ研選書

東南アジアの比較政治学

取り寄せ不可

出版社
アジア経済研究所
著者名
中村正志
価格
2,090円(本体1,900円+税)
発行年月
2012年9月
判型
A5
ISBN
9784258290307

この本を手にしているあなたは、仕事上の関心から東南アジアの情報を求めている社会人だろうか?それとも、政治学を専攻する大学生だろうか? 本書の趣旨は、政治学の知見を活用して東南アジアの現代政治を読み解く、というものだ。この地域の政治そのものに興味をもつ方と、政治学上の関心から東南アジアについて知りたい方のどちらにも役立つように工夫した。
本書でわれわれは、政治制度に焦点を当てて、域内先進国のタイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシアを比較した。トピックごとに、5カ国のあいだの差異に注目して、なぜ違いが生じたのかを政治学の理論を使って説明している。また、この5カ国が中心になって構成する東南アジア諸国連合(ASEAN)について、開発途上国がつくったほかの地域機構と比較して論じた。
東南アジアの現実を知りたい読者のなかには、「制度の話なんて退屈だし、理論など役に立たない」と思っている人がきっといるだろう。この地域の政治を理解するのに、制度の働きを知ることがなぜ必要なのか、比較と理論がどうして重要なのかということを序章で説明した。だからたったいま手にした本を書棚に戻す前に、もう少しページを繰っていただけるとうれしい。もちろん、この本を最後まで読んでもらえたらもっとうれしい。本書の各章は、それぞれ単独で読んでも理解できるように書かれている。けれども制度は相互に影響を与え合う関係にあるから、通読すればいっそう理解が深まるはずだ。

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