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かそけき「流れ」としての生命、それをつなぎ止めるのは記憶なのか――。福岡ハカセこと生物学者・福岡伸一先生の好奇心はとどまるところを知りません。
生命は流れの中にある、という「動的平衡」の視点から語られる科学、進化、書物、芸術、そして記憶。地球で最も繁栄している生物は人間ではない? DNAや指紋で本当に本人確認ができるのか? 筋トレでつけた筋肉も実は子どもに遺伝する? フェルメールの独特の画風の秘密は科学にあり? 自在に往還する科学者の視点が、読者の常識と生命観をゆさぶってゆきます。
生物学者・福岡先生のファンはもとより、芸術と科学のあいだをつなぐフェルメールの紹介者としての福岡先生のファンにもお勧めしたい一冊。わかりやすいのみならず、叙情的で美しい文章に彩られ、実は「動的平衡」ワールドをもっとも親しみやすく表現した一冊でもあります。
科学の語り部として現在もっとも支持される著者の、日々の思索に触れられるエッセイの数々は、理系、文系を問わない魅力に満ちています。「週刊文春」連載を再編・加筆。
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