不器用とは、はさみの使い方が上手でないときなどに使われますが、発達障害の子どもでは、運動のほか日常生活の多岐にわたって運動協応性の困難を伴うことが多くあります。
不器用な子どもでは、視知覚認知にも問題があります。
特別支援教育では、ビジョントレーニングが注目されていますが、本書は発達障害の子どもの不器用さを解決するために具体的で視覚的な方法を提示しています。
また不器用さは、低い自尊感情、過度に低い目標設定や責任回避傾向の自己概念、行動問題、周囲からの孤立やいじめ、低い社会的コンピテンスなども二次的に引き起こしていると報告されており、広範囲な人格形成に影響すると考えられるようになってきています。
わが国の図書ではほとんど言及されてこなかった「自尊感情と運動の実行」についても、本書は具体的な解決方法を提示しています。
先行研究の多くが、5歳から10歳までの間に「適切な指導」を受ければ、不器用さを減らせるとしており、本書で示したような幼児期~学齢期での適切な対応は望まれるところでした。
本書が、このような実践場面での問いの解決のための一助になることを願ってやみません。
(監訳者「まえがき」より、抜粋・改変)
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