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画期的とも言うべき第二ヴァチカン公会議(1962-65)を通して,ローマ・カトリックは過去の問題を誠実に省みるとともに,開かれたヴァチカンとして世界に積極的に関わってきた。教皇ヨハネ・パウロ2世(1978-2005在位)をはじめ現在のベネディクト16世は,公会議の精神を正統に継承して,現代世界の困難な問題に対して発言し,キリスト教世界を越えて多くの人々に希望を与えてきた。
ヴァチカンは非信仰者を含めた世界的な科学者や神学者を会員とするアカデミーの活動を通して,現代の最先端の自然科学や社会科学に関わる情報や知見を収集し,神学的・哲学的考察をしてきた。その活動を踏まえてカトリシズムの世界では,近年目覚ましい知の蓄積・深化・発信が行われ,公共的言説によって世界の諸課題に対し積極的に貢献しようと多くの提言がなされている。それらは単なる宗教的言説を越えて普遍性と公共性を合わせもち,世界的公共財とも言いうるものである。しかしながら,わが国においては一般社会のみならず日本のカトリック教会においてさえも十分に理解されているとは言い難い。
本書は新しい宗教的潮流であるニューエイジやヒト胚の生命倫理,同性愛の法的問題や平和論など私たちの社会が直面する課題を選び,学界をはじめ広く社会に紹介することを意図した。ヴァチカンから発信される提言を偏見なく検討することにより,われわれの社会にとって豊かな智慧と示唆が見出せよう。世界がグローバル化するなかで,これらの言説がもつ意味はいよいよ重くなるに違いない。
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