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著者はトレルチ研究から出発し,歴史主義のルーツを探るうちに解釈学の水脈に遭遇した。シュライアーマッハーからベーク,ドロイゼンを経てディルタイに流れる解釈学の系譜と,トレルチからディルタイ,ドロイゼンを通ってベークへと遡る歴史主義の系譜とが,いかなる関係にあり,いつどのように合流していったのか?
シュライアーマッハーの一般解釈学,ベークの古典文献学,ドロイゼンの史学論,ディルタイの精神諸科学と解釈学,トレルチの歴史哲学など,1810年に創設されたフンボルト大学哲学部にあって,5人の専門は異なるが一つの共通精神によって貫かれている〈ベルリン精神〉の系譜学という新たな視点から,解釈学と歴史主義をめぐる思想史的ドラマを,原典資料により克明に追跡した画期的業績である。
解釈学理論と歴史主義の結合が,歴史学の発展を促すと同時に,歴史相対主義がもたらされた。ディルタイは「確信のアナーキー」を嘆き,トレルチはベルリン着任時に「私は価値のアナーキーに終止符を打つために来た」と語り,相対主義克服のために心血を注いだが,道半ばにして逝った。1930年代以降,歴史主義は時代の後景に退いたが,今日においても主要課題であることに変わりはない。
他方,19世紀の解釈学は,ハイデガー,ガダマーによって批判され,等閑に伏されたままである。
著者は思想史研究の方法を根本的に反省し,19世紀の巨匠たちが残した業績に新たな光を当て,21世紀にとって〈歴史と解釈学〉の再検討が喫緊の課題であることを訴える。
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