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性愛の原風景を描く「団鬼六賞」大賞受賞作
この森にはね、蝮が出るのよ。誰も入っちゃいけないのよ――。
伝統ある生田流箏の家に生まれ育った姉妹、田宮京香と清香。姉の婚約者に一途な想いを寄せる妹の心は、二人の結婚を目前に苦しみに満ちていた。
いっぽう、四年に一度の盛大な祭事〈蝮をどり〉の準備が進むなか、箏の世界で権力を握ろうとする二人の男が、姉妹を陥れようと陰謀を企てていた。
邪悪な謀事によって、封印していた過去が蘇り、本来の激情が剥き出しになっていく姉。姉への嫉妬心から、自ら暗い罠に堕ちていく妹。
そして、この姉妹を幼い頃から見守りつづけてきた使用人の政巳は、〈蝮をどり〉当日の夜、蝮の棲む聖なる森への入口を開く――。
気鋭の作家が、自身の性愛の原風景を気迫の筆致で描いた意欲作。第二回「団鬼六賞」大賞受賞作品。
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