1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
妖怪は私たちのうしろめたさの影なのか?
民俗学の祖である柳田国男の『遠野物語』『妖怪談義』『山の人生』を繙くと、日本列島は、大地震だけでなく、飢饉、鉄砲水、旱魃など、始終、災害に見舞われ、河童、座敷童、天狗、海坊主、大鯰、ダイダラ坊……の妖怪たちは、災害の前触れ、あるいは警告を鳴らす存在として、常に私たちの傍らにいた。
安政の大地震などは古文書も記録がなされているが、毎年、そこかしこで起こる災害の記録は、おどろおどろしい妖怪に仮託され、人々の間に受け継がれてきたのだ。
著者は、遠野、志木、生まれ故郷の辻川(兵庫)、東京の代田などをたどり直し、各地に残る祭りや風習などを取材しながら、ほそぼそと残る「災害伝承」、民俗的叡智を明らかにする。自然への畏怖、親しい人の喪失、生き残ってしまったうしろめたさ、言葉にならない悲しみと妖怪たちからのメッセージに耳を傾けてみよう。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。