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明治時代には、こんなコマーシャルがあった…日本広告事始。
引札 (ひきふだ) とは、江戸時代から明治末期にかけて宣伝広告用に制作された木版や石版の印刷物で、今で言うチラシのようなもの。七福神や開花風俗などが好んで描かれ、当時の庶民の暮らしに彩りを添えた。本書は、田村資料館の収蔵品より優品240余図を厳選、オールカラーで紹介。意匠や色彩に工夫を凝らしたものや、多様な用途に利用できるよう機知に富んだデザインなど、デザインガイドブックとして参考になるだけでなく、明治の風俗が偲ばれる資料としても楽しい。
【「引札の魅力」より抜粋】
引札とは、臨時に広告宣伝の目的で作られ配布された刷り物のことをいう。江戸時代、商業主義の発展に伴って登場し、明治時代ことに盛んに発行された。それまでの看板やのれんといった常設の広告手段と大きく異なる、大量伝達手段としての広告の魁である。
当初は引札という名は用いられず、「報条」(ほうじょう) とか「口上出し札」(こうじょうだしふだ) と呼んでいた。初期の作例として高名なのが、天和三 (1683) 年、越後屋江戸本店の出した「現金安売掛値なし」の引札である。
(本書は平成八年十二月発行の「京都書院アーツコレクション」-『引札』を改訂・新装本としたものです。)
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