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遣欧米使節、鷗外、漱石、子規、蘆花、荷風
有名無名の人々が見た近代日本の光と陰
幕末から明治へ――「若い時代」を生きた日本人のこころ
西洋との鮮烈な邂逅で幕を開けた日本の近代。遣欧米使節、諭吉、鷗外、漱石、植木枝盛、子規、啄木、蘆花、荷風――。有名無名の人々が遺した三十二篇の日記に描かれる、幕末・明治という日本の「若い時代」に現出したさまざまな異文化体験。そこに浮かび上がってくる、日本人の心性と日本人像、そして近代日本の光と陰。日記にみる日本人論・近代篇。
私が取り上げた日記の中で、私の関心を最も惹いたものは、日記作者その人の声にほかならなかった。私はいつも、なにか心からの声に、耳を傾けようと努めた。表現された感情のいかんにかかわらず、単に熟達した文体ではなく、なにかはっきりと、個性的な音色のようなものを聞こうとした。私はまた、文学史家が誰一人注目することのない日記の中にさえ、それを読む今日の読者が、何百年も昔に生きたその作者に突然一種の親近感を抱くような、なにか感動的な瞬間がないかと探し求めた。――本書「序」より
※本書は、1988年に朝日新聞社より刊行された同名書籍の上下巻を合本にしたものです。なお、初出は、1986年10月13日から1987年10月29日にかけての朝日新聞での連載です。
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