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"新世界の出現,啓蒙思想の展開,大革命やナポレオン戦争など波瀾の時代に著作活動をしたシャトーブリアン(1768-1848)の作品を素材に,反文明的な性格をもつ隠遁者,野生人,蛮人の三つの鏡に映った,ヨーロッパの文化と社会の複雑な様相を描き出す野心作。
古代ではギリシア語を解さない人々を蛮人(b?rbaroi)と呼んだが,中世では自然法を理解しない人,近代では都市的習俗に異質な外部世界の人々を蛮人とした。新大陸の住人やゲルマン諸族はどう扱うべきか。
非ポリス的なものがヨーロッパ内部に散在する諸個人として現れるとき,野性的(sauvage, wild)と規定される。アイルランド人は野生人であるというキリスト教社会の内部に存在する野生性をどう捉えられるか。
野生性の体現者として宗教的な隠者の存在。実際に隠遁者たち(solitarii)は森を住処とする都市的習俗を逸脱した人たちであるが,森においても文明との繋がりを保持していた。西ローマ帝国滅亡後,その文化は修道院に保存され,新たな統治者となった蛮人の習俗を穏和にする役割を果たしたのである。
シャトーブリアンは文明の理念を保持しつつ,歴史的起源としての祖先の蛮性を統合し,他方で社会に異質な野生性に見られる魂の卓越性に魅かれた。彼の心の揺曳にヨーロッパ近代の深い陰影が投影される。"
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