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釈尊、その思想の本質
説かれたものは「慈悲」と「救済」だったのか? 生成の場面に光を当て、仏教の根源にせまる
古代インドに生まれ、今もアジアの人々の暮らしに根づく仏教。インドの宗教的・思想的土壌にあって他派の思想との対立と融合を経るなかで、どんな革新性をもって仏教は生まれたのか。その生成の場面に光を当て、比較思想研究の手法によって「経験論とニヒリズムに裏打ちされたプラグマティスト」釈尊の思想の本質に迫る。インド思想史研究の意欲作。
紀元前五世紀ごろから紀元後の一千年紀にわたって、思想史上、仏教はほとんどつねに主導的な役割を果たした。仏教は、今日のヒンドゥー教思想の骨格の重要部分を構成している。しかし、その仏教も、孤高にして超絶という態のものではけっしてなく、他派の思想との対立と融合のなかで生成発展していったのである。――本書「はしがき」より
※本書の原本は、1995年、筑摩書房より刊行されました。
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