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産業革命と近代的国民国家の創出は,19世紀のヨーロッパで発生した最も重要な歴史過程である。しかし従来二つの事象はそれぞれ違った文脈で考察されてきた。本書はそれらを統一的な視点から分析することにより近代史の核心に迫る新たな試みである。
産業革命や工業化は,市場の拡大による分業化の進展と蒸気機関を活用する新技術の影響により「自然に生まれた」だけではなく,国家の支援を必要とした。
近代的な資本主義的市場経済は市場と統治組織間の相互作用により誕生したが,従来から政府の介入は少ないほど良く,さらに「自由放任」を推進し,統制国家による支配から徐々に開放されてきたという見方が誤っていることを明らかにする。
ナポレオン戦争後,政治家は工業力が政治力と軍事力を展開する基軸であることを認識した。工業化の資金を提供するだけでなく,人口増にも役立ち,工業力こそ勝者と敗者を分ける決定的要因となり,富国強兵,殖産興業が近代国家の基盤となった。
経済学説と経済史の知識を関連させた叙述は,新たな研究を示唆するとともに,現代の後発国の工業化における政府の役割を論ずるうえでも必読文献となろう。
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