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ヘーゲルにおける外化と内化は,歴史的世界での人間から実体への外化と,宗教的世界における神から人間への内化が別次元の問題として考察されてきた。それら両者を統一的に関連づけて分析することにより,『精神現象学』の理解に新たな光を投ずる。
『精神現象学』を行動と言葉とによる自己意識の外化と内化(想起)の過程として捉え,自己意識による社会,人倫,神といった実体への働きかけである外化が,実体から自己意識への作用としての内化でもあることを解明する。自己意識は実体に規定されるが,主体性と自由をもって自ら決断し行動すると共に,言葉により普遍的なものや他者と関わる。ヘーゲルにおいて実体は自己意識の運動を通して生成する主体でもあった。
精神は意識と自己意識と理性の諸形態として現象し,「精神」へと至る。精神は世界の歴史的現実を経験し,各段階において言葉と行動により外化が行われる。自己意識は言葉と行動を用いて自らを外化することにより自らを限界づけ,自己の何であるかを知り,実体から自己意識への内化を実現する。行動と言葉の分析を通してヘーゲル哲学における「精神」の深度を探究した意欲的な作品である。
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