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ハンセン病者への隔離政策が確立する一九三〇年代から、軍靴の音響くアジア・太平洋戦争期を経て、民主主義を謳歌する一九五〇年代まで-この激動の時代に、病者自身が描いた文学作品を研究・考察した十章から成る。ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合ってきたのか。また逆に、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。終生隔離という極限状況に置かれた者が、いかにして「抑圧された生命を生きる意味」を紡ぎだすのかという普遍的な問題に挑む。
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