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無住道暁が目指した『沙石集』のあるべき姿に迫る。
鎌倉後期成立の仏教説話集『沙石集』は、一度完成した後も、無住自身による二度の大改訂と後人による改変によって、記述に差異のある伝本が多数存在している。
本文の成り立ちや立ち位置もわからないまま、論拠として使用する研究状況に警鐘を鳴らし、現存の全十一写本について、前後関係を解明し系統化する。
『ささめごと』や西鶴の諸作品、『醒睡笑』にも引用され、現在ではフランス語訳、英訳もなされるなど、後世多くの読者を獲得し、日本史・宗教史・思想史等の分野にも影響を与えてきた『沙石集』を扱う際の必読書。
無住道暁700回忌記念出版。
【無住道暁により弘安二(一二七九)年に起稿され、弘安六(一二八三)年に一旦の完成を見た『沙石集』は、その後無住自身により、少なくとも永仁三(一二九五)年、徳治三(一三〇八)年に改訂を施されたことが判明している。同時に、後人による説話の取捨選択、改変を歓迎する言葉を著者自身が遺したため、本文、裏書の混在した複雑な伝本が多数存在することとなった。
『沙石集』の中で一貫して、全てのものに対する「執着」を誡めた無住が、その死の前年まで、自らの著書に裏書、改訂を加え続けた。そこまでしてこだわったもの、伝えたいものは何であったのか、『沙石集』伝本の錯綜した記事の中から掬い出し、無住が目指した『沙石集』のあるべき姿に少しでも近づいていきたいと思っている。】……序論より
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