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本書は1890年代から1920年代前半までのフッサール現象学の発展を倫理学の観点から考察し,論理学の認識論的基礎づけという理論理性の問いから出発したフッサールが,実践理性の学問としての倫理学を確立するプロセスのなかで,いかに自らの現象学そのものの意味を変化させていったかを解明する。
フッサール(1859-1938)は『論理学研究』(1901-03)から『イデーンⅠ』(1913)に至り現象学に倫理学を組み入れた体系を確立し,さらに自己批判を通して20年代初頭には生き方を探究する倫理学の大枠を完成させ,ロンドン講演(1922)や『改造』論文(1922-24)で公表した。そこでは現象学全体が倫理学的問題設定を軸にして動くようになり,現象学の倫理学化・実践哲学化としての倫理学的転回が生じた。
また著者は1910年代から20年代にわたる静態的現象学から発生的現象学への移行と特徴づけられてきた時期を,現象学そのものの倫理学的転回という別の視座から光を当てた。
80年代後半から新資料が公刊されるにつれ,「論理学の基礎づけ」という課題と並び,「倫理学の基礎づけ」もみずからの課題として早い時期から取り組まれていたことを明らかにし,周辺的な課題と見なされてきた「倫理学」が,フッサール現象学において占める意義を明らかにした意欲作である。
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