ミクロ経済分析の基礎

数理経済学叢書

ミクロ経済分析の基礎

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出版社
知泉書館
著者名
長名寛明
価格
6,600円(本体6,000円+税)
発行年月
2011年9月
判型
A5
ISBN
9784862851154

近年,ミクロ経済学はゲーム理論の急速な発展とともに,分析方法と分析対象の両面にわたって大きな変化に見舞われている。
本書は伝統的な分析手法に基づくミクロ経済学の基本的問題のみを扱い,ゲーム理論および応用分野については他書に譲る。新たな手法や応用が開発されても,伝統的な手法とこの分野の重要性は失われない。それらを十分に理解する意義は今後も変わることはないであろう。
本書で扱うミクロ経済学のモデルは基本的にワルラスにより創始されアローやドブリューによって現代的方法で表現されるようになった一般均衡モデルである。一般均衡分析の観点から部分均衡の基礎についても考察するが,この分野の多くの問題,特に不完全競争の諸問題はゲーム理論による分析が進展しているので扱わない。したがって独占には言及するが,競争市場の一般均衡分析が本書の中心的主題となる。
学部上級から大学院前期博士課程の学生を読者対象にする本書は,ミクロ経済学の多くの問題を紹介するのではなく,限られた内容を相互に整合的な仕方で整理し明確に表現して論理的内容と同時に的確な経済的意味を理解するとともに,様々な主張を正確な論理を用いて証明する能力を養うことが狙いである。この訓練を通して学生は本書に含まれていない多くの問題を容易に理解できるようになり,貴重な能力を涵養する上で,他に類書のない最上のテキストになろう。

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