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これは目からウロコの面白さだ。ほとんどの日本人は、西洋的史観を無条件に受け入れてしまっているのではないか。例えば、十字軍というのは、ヨーロッパのキリスト教徒が聖地エルサレムをムスリムから奪還するのが目的であったと正当化されている。しかし、逆の立場から見ると、普通に住んでいる場所に、いきなり遠征軍がやってきたのである。理不尽な厄災としか考えられませんわな。視点を大きく変えて世界史を見つめてみると、物の見え方が大きく違ってくる。これ、大事とちゃいますやろか。――仲野徹(ご隠居、大阪大学名誉教授)
(押し売り書店仲野堂#34「ドクターズマガジン」2024年11月号)
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世界は〈西洋〉と〈東洋〉だけで成り立っているのではない
9・11-―その時はじめて世界は〈ミドルワールド〉に目を向けた
西洋版の世界史の後景に追いやられてきたムスリムたちは自らの歴史をどう捉え、いかに語り伝えてきたのか
歴史への複眼的な視座を獲得するための、もうひとつの「世界史」
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西洋世界と今日のイスラーム世界の中核部分は歴史の大半をつうじて、いわば二つの別個の宇宙を形成していた。いずれも内輪の問題に没頭し、みずからを人間の歴史の中心に位置づけ、それぞれ独自の物語を生きていた-―十七世紀後半に二つの物語が交差するようになるまでは。その時点で、いずれかが譲歩せざるを得なくなった。なぜなら、二つの物語は互いに逆流として作用したからだ。そして、より強力だった西洋の潮流が優勢となり、イスラームの潮流を撹乱した。
しかし、表舞台から追われた歴史はそこで終わらなかった。それはあたかも潜流のように水面下を流れつづけ、現在もなお流れている。
(「はじめに」より)
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