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前作『とんぼの目玉――言の葉紀行』で、自らを育てた言葉をめぐって縦横無尽に飛び回った著者による、故郷回帰旅行。幾世代前のことがらが、「語られる」ことにより、次につづく世代へと遺され、あるいは受け継がれていくことの豊かさと不思議さ、そして人生の滋養となる子ども時代の体験について描かれた第二エッセイ集。
「読者の皆さんが持っている幼いころのガラス絵がこの本と連動して次々浮かび、人生列車の窓の光がこの本と交錯すればこれ以上の喜びはありません。」(「まえがき」より)
※「未来」連載「飛ぶ雀」を元に改稿、再構成しまとめました。
【目次より】
◆祖父の時代・父の時代
祖父の新婚旅行
明治の凧揚げ
祖父の信仰
大正の子どもたちの限界芸術
麗子叔母の一生
◆子ども時代
河豚と核家族
エビおっつあん
じゃぶじゃぶの話
野菜のピラミッド
天神さんの祭り
薬師さんの祭り
いじめられっ子のひとり革命
私の飴玉読書暦
◆ふるさと回帰
第二の自然としての小津映画
小津映画とフェルメール
小津の水平線
笠智衆の夫人、花観さんのこと
◆古典との出会い
頭の鬼門に鎮座まします化石、溶解のこと。
紫式部の目
【著者紹介】
長谷川摂子(はせがわせつこ)
44年生。絵本、童話作家。
島根県平田市(現・出雲市)出身。東京外国語大学卒業。東京大学大学院哲学科中退。夫は哲学者の長谷川宏氏。
2004年、『人形の旅立ち』(福音館書店)で第19回坪田譲治文学賞、第14回椋鳩十児童文学賞、第34回赤い鳥文学賞を受賞。
絵本に『めっきらもっきらどおんどん』『きょだいなきょだいな』『みず』(以上、福音館書店)「てのひらむかしばなし」シリーズ(岩波書店)など多数、エッセイ集『とんぼの目玉――言の葉紀行』(未來社)、評論集『子どもたちと絵本』(福音館書店)ほか。
イラストレーション:新井薫
※単行本化にあたり、描きおろ しカットが増えます。
こちらもお楽しみに!「ふうん、そおで、おじいちゃん、どげ思った?」
◆関連書
『とんぼの目玉――言の葉紀行』長谷川摂子著 978-4-624-60109-6 1700円
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