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霊場高野山を拠点に諸国を遊行した高野聖。歴史上の聖たちは、泉鏡花の名作『高野聖』で描かれた道心堅固な僧ではなく、妻帯して世俗生活を送り、末路は悪行も働いた下級僧侶だった。だが彼らこそ、民衆に根ざした生きた仏教の担い手であり、寺院経済を支えてきた存在だった。空海、西行、一遍などの足跡や歴史に埋没した古代から中世までの聖階級の活動に光を当て、徹底した“庶民史観”で日本宗教史を変えた、不朽の名著。
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