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道半ばで逝った著者が,求めてやまなかった「語りえぬもの」とは何か? 本書は故人が長きにわたり紡いできたことばと研究の軌跡を集成した貴重な記録である。
ドイツ神秘思想に連なるエックハルトやパラケルスス,アンゲルス・シレシウス,ベーメ,などを中心にそれぞれの思想がもつ独自の位相を考察し,「語りえぬもの」を語ろうとするさまざまな表現を探究する。
著者によればこの解きがたい謎である「語りえぬもの」こそ,ありとしあるものの実存の芯となるものであり,どんな人にも,どんな物にも与えられている。人が自由に語り,空想に遊び,活き活きと生き創造しうるのも,語りえぬものがあればこそである。
古の賢者たちが語ったように,すべてのものの中心にはいまだ語られざることばが,名付けられざる名が秘められている。このようなことばや名は,ことばとなることを,名づけられることを求めてうめきつづけている。このうめきに応え,秘められたことばや名を闇のなかから明るみに取り上げ体現してゆくこと,これこそが人間の使命であり,文化の創造にほかならない。
神秘思想が宿している可能性はまさにこの「語りえぬもの」を語ろうとする切実な願いにあることを,著者は繊細な考察をとおして明らかにし,読む者を新たな世界に誘ってくれる。
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