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ジョン・ヘンリ・ニューマン(1801-90)は19世紀イギリスを代表する宗教家,思想家で文学者でもあったが、その活動は,神学,哲学,教育,文学,歴史から美術にまで及び,時代と国境をこえて幅広い影響を与えた。わが国でも坪内逍遙をはじめ上田敏などが生前からニューマンに注目し,また植村正久,逢坂元吉郎から岩下壯一,吉満義彦まで多くのキリスト者が傾倒した。
本書はニューマンの生涯を辿りつつ,残された膨大な説教の魅力を語り,新大学設立に当たり,教養教育と道徳的規律,それに宗教的献身を統合した彼の大学教育の理念を解明する。さらにかれの文学を代表する『カリスタ』の主人公の苦悩と人格の完成を考察し,文学史上最高の評価を得た韻文『ゲロンシアスの夢』を訳出,生と死の真相を明らかにする。この度,ローマ教皇により列福されたのを機に注目されるニューマンへの格好の手引き。
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