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家出少年の自分探し物語
イギリスの注目作家ジェニー・ヴァレンタインの新作。デビュー作『ヴァイオレットがぼくに残してくれたもの』でガーディアン賞を受賞して以来、高い評価を得ている作家です。
本書は、家出少年の自分探し物語です。とんでもない事件を巻き起こして、田舎からロンドンに家出してきた少年サムが、転がり込んだアパートは、とんでもない人たちが暮らしている不思議なアパートでした。おせっかいおばあさん、おしっこ犬、お世辞たらたら男、ヤンキーママから放置されて学校も行っていない10歳の少女ボーに、そのママ……。このアパートは、おかしな人たちの集まりです。サムが家出したときに持ってきた本のタイトルは『アリのコロニー』でしたが、まさにこのアパートは、人生に迷った迷子のアリたちのコロニーでした。そこで、小さなおもしろい出来事が次々に起きます。サムは、そんな人たちと関わりの中で、自分を見つめ、生きる力を取り戻します。
小さな少女ボーとサムとの友情の物語でもあり、家族の物語です。友だちを傷つけてしまったことから始まった家出ですが、その友だちに「ごめんなさい」を言うために、少年サムは、なが~い旅にでかけたのです。
【編集担当からのおすすめ情報】
少年サムと、小さな少女ボーが、交互に語る形式で書かれた本書は、それぞれの目線でリアルに書かれていて、読み出したら止まらないおもしろさです。サムと、ボーのかわいい友情と、サムと家出の原因になったマックスとの友情が語られています。何度読んでも最後に泣けてくる友情物語です。
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