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18世紀末より19世紀初頭、懐疑論、汎神論をはじめとする先行思想の受容をめぐる無数の論争を通じてドイツ観念論は形作られ、鍛えられた。ヘーゲルはもちろんヤコービ、ヘルダー、ラインハルト、シュルツェらが交わしあった激しい議論を論文、書簡、講義録より緻密に検証。まさに自身の哲学体系を完成すべく苦闘していたヘーゲルの、哲学的原風景とも言うべき熱気あふれる時代を描く。
目次
第一章 信念と懐疑――ヤコービによるヒュームへの論及とドイツ観念論の成立
第二章 ヤコービとヘルダー
第三章 実体形而上学から主体の哲学へ――実体が主体へ到る理路
第四章 合理化と神秘化――思弁的宗教論へと到る啓蒙の定め
第五章 虚無への供物としての知――フィヒテのニヒリズムに対するヤコービの批判
第六章 事実から事行へ――ヘーゲルによるシュルツェ批判、クルーク批判の前哨
第七章 表象もしくは象が支える世界と哲学体系――知的世界を構築する神話としての〈基礎づけ〉と体系
第八章 意識と無――シュルツェとドイツ観念論
第九章 精神と世界――歴史的世界を創建する神話としての超越論的観念論
第十章 懐疑から思弁へ――ヘーゲル弁証法の原像と彫琢
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