文化の時代の経済学入門

文化の時代の経済学入門

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出版社
新評論
著者名
駄田井正 , 浦川康弘
価格
2,420円(本体2,200円+税)
発行年月
2011年3月
判型
A5
ISBN
9784794808615

真に人間の幸福と喜びに結びつく経済を創造するために!
「文化力」と「創造的活動欲求」に着目した新時代の経済学。 

 20世紀は製造業中心の「モノの時代」であり、人々の「防衛的活動欲求」を満たす経済であった。その意味で産業経済学の時代であったといえる。しかし、21世紀はサービス中心の時代であり、人々の「創造的活動欲求」を満たす経済であり、その意味で「文化経済学」の時代である。本書は「文化の時代」を意識して、従来の経済学の教科書とは異なる観点に立ち、新しい経済のあり方について著したものである。
 現在の先進諸国の産業構造をみると、サービスを提供する第三次産業が大きな割合を占めている。よって本書では第1に、サービスを主体とした経済、いわゆるポスト工業社会の様相に着目していく。
 第2に、従来の経済学では、経済発展・成長は人々を幸福にするとされてきた。しかし本書では、経済の発展・成長が必ずしも人間の幸福に結びつかない「幸福のパラドックス」の発生を分析する。文化力を「富を幸福に転換する能力」と捉えるなら、この文化力が低下すれば、たとえ経済が成長し人々の富が増加しても幸福になるとは限らないということになる。
 第三に、人間の活動を防衛的活動と創造的活動に分類すると、前者は苦痛を取り除き生活を便利にし、後者は人々を楽しくさせるものである。防衛的活動には「トレッドミル効果」*が働き、最初は便利さに感激し、満足が高まるが、その状態に慣れてしまえば満足感も麻痺し、かえってそれを失った時の苦痛におびえることになる。一方、たとえば芸術やスポーツに熱中している状態に典型的なように、創造的活動は常に人間に感激を与え、気持ちを浮き立たせ、幸福感を向上させる。文化力はまさにこの創造的活動と深く関わっており、文化関連産業の発展に寄与する点で、「文化の時代」に最も求められるものといえよう。

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