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伝統短歌の革命者塚本邦雄が宿敵・西行に挑む最後の闘い。
幻の傑作評論初刊行!
北面の武士として鳥羽上皇の寵愛を受けながら出家遁世した漂泊の人。又、伝説に彩られ、日本人に愛され続ける名歌をあまた残した歌人・西行。伝統短歌への叛逆者にして、「西行嫌ひ」を公言して憚らなかった塚本が、晩年に至って、渾身の力と愛憎を込めて宿敵・西行に闘いを挑んだ快著。高名な歌を情け容赦なく切り捨てる一方、知られざる名歌に眩い光をあてる百選は、正に塚本美学の精髄! 本文庫、初刊。
島内景二
邦雄の西行嫌いは夙(つと)に有名だが、好きでもない歌人の和歌を、百首も評釈することなど不可能である。邦雄にとって、「西行的な和歌」は自らの歌の母胎だった。(中略)『西行百首』は、西行に代表される「日本的な和歌の伝統」と最終決戦を繰り広げるために構想された。邦雄は、自らの内なる西行を斬った。伝統を止揚せねば、正統は結晶できないからである。――<「解説」より>
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