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本書は1946年から65年にわたる20年間の北朝鮮経済に関する旧ソ連の内部文書である。原資料はモスクワのロシア公文書館(外務省公文書館,国立経済公文書館)所蔵になる。本資料集は編者がとくに興味深い70編を邦訳し,時代順に配した。
ここに収録した資料群の内容は朝鮮戦争時までのものが充実しているが,ただ日本の統治を否定的に叙述する一方,北朝鮮経済の再建に対するソ連の貢献を過度に強調している点に注意が必要である。50年代後半からは細かな技術文書が主で経済関係のものは少ない。これは金日成の独自路線により北朝鮮全体をカバーする内部情報をソ連が得る機会が失われていたからであろう。しかしこのような技術文書は当時のソ連,北朝鮮の技術水準を測る重要な資料であり,今日的な観点からも貴重である。
資料1-9は金融状況や土地改革法案,さらに商業,金融,農業,鉱工業を通して生産減少,物資不足が伝えられ,ソ連軍が北朝鮮の鉱産物を戦利品として自国に搬出した事実が示される。
資料10-21では1947年貨幣改革関連の文書と1948年の財政,金融,産業関連の文書により産業の復興状況が詳述され,また北朝鮮とソ連の合弁会社,鉄道事業の概要が記されている。
資料22-33は1950年の産業,財政,輸送関連の文書で,ウラン鉱のひとつモザナイトが大量に北朝鮮からソ連に搬送された。また北朝鮮軍がソウル住民50万人を北に連行する命令や朝鮮戦争初期の空襲被害と対策が記されている。
資料34-45は1951-52年の財政金融,鉱工業,鉄道輸送,兵器工場,商業,発電所,援助協約の文書である。それらにより米軍の空爆下,北朝鮮の軍需生産の努力が明らかにされる。
資料46-55は1953-54年の文書で産業,戦争被害,技術援助の実態が記され,地下兵器工場の建設にソ連技術者が従事した。
資料56-70は1956-65年の文書で,北朝鮮の農業統計の不備や金日成のトウモロコシ重視政策の起源,一連の朝鮮?ソ連科学技術協力委員会による技術移転も失敗したことが示された。
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