襖貼りの縊り鬼
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江戸・深川で手広く商売をする森田屋のあるじ・市左衛門が殺された。無残にも細紐で縊り殺されていたのだ。下手人探しを始めた北町奉行の同心・柊夢之介は、探幽の掛け軸が盗まれていたことから押し込み強盗の仕業と踏む。
夢之介には心当たりがあった。数ヶ月の間に、細紐で縊り殺した挙句、盗みを働くという手口の殺しが二件、たてつづけに起きていたのだ。同一犯の仕業と確信した夢之介は、父親の代から使える岡っ引きの蔵六、幼馴染の同心・尾形兵庫とともに「縊り鬼」と称される下手人探しに奔走する。だが、それぞれの殺しの裏に隠された複雑な事情が明らかになるにつれ、夢之介の描いた「連続強盗殺人」という線は、徐々に崩れ始めるのだった……。
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