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安房直子の代表作のひとつの文庫化。鹿撃ちの名人、清十さんの三人の娘たちはそれぞれ、牡鹿に連れられ、山中のにぎやかな鹿の市へと迷いこむ。三姉妹は市での振舞いを、牡鹿に見定められているようなのだが、姉たちの言動に鹿はくるしげな様子をみせるばかり……。末娘みゆきと牡鹿との、「運命のひと」を想うせつなさあふれる物語。凜と冴えわたった安房直子の文章に、きらびやかなスズキコージの絵が寄り添う。(解説 堀江敏幸)
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