取り寄せ不可
今、死体が事件の真相を語りはじめる
現代の捜査では常識ともいえる『検屍』 しかし江戸時代すでにこの考え方は実施されていた。当時、検屍のバイブルといわれた「無冤録述」という書物がある。これを片手にどんな死体であっても詳細に調べ、殺人の真相を語らせるという北町奉行所の天才同心 北沢彦太郎。検屍の技術では及ぶ者なく、好んで現場に出かけ、淡々と死骸を調べる北沢を変わりものとそしるものも少なくはなかった。そんな北沢を助けるのは検屍と女が大好きな医者・玄海、そして女絵師お月。三人は玄海の見立てと、大きく損傷した死体から生前の顔姿を見通して似顔を描くお月の技量によって難事件を解決する腕利きチームだ。
さて、今回は井戸の底で見つかった自殺とおぼしき死体が、このチームの検屍で意外な真実を語り始めた。井戸の死体の無念の声とは?北沢は真犯人をつきとめられるのか?
江戸川乱歩賞受賞の川田弥一郎の小説を高瀬理恵が華麗な筆で描く。
【編集担当からのおすすめ情報】
江戸の治安を守る奉行所同心は、当時の検屍のバイブル「無冤録述」を精読し、死亡日時から原因まで知ることができました。科学の発達していなかった時代に、わずかな痕跡や証拠はもちろん、自らの経験と工夫を駆使して犯罪を暴いていたのです。検屍を得意とする変わりもの捜査官、北町奉行所同心・北沢彦太郎が医師と絵師の助けを借り、死者の無念をはらす、痛快、大江戸捕り物譚です。
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