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雲岡(うんこう)石窟は、龍門(りゅうもん)石窟、敦煌(とんこう)・莫高屈(ばくこうくつ)とともに、「中国三大石窟」とされ、仏教美術の至宝として、二〇〇一年には世界文化遺産に登録されました。
日本の仏教のよってくるかたちあるものの淵源を尋ねようとするとき、その仏像群は、飛鳥・白鳳そして天平の仏教美術の源流としても燦然と存在しています。
今回、これまで世界各地の宗教史跡を撮りつづけてきた写真家・六田知弘氏に、日中の美術史界に信頼の厚い東山健吾先生のご紹介で「雲岡石窟研究院」から撮影許可がおり、従来、あまり紹介されることのなかった西方諸窟を含めその全貌がカメラに収められました。六十数年ぶりに外国人写真家による本格的な撮影の実現をみたのです。
ここに刊行する『雲岡石窟 仏宇宙』は、六田知弘氏の数多くの写真の中から二百点余を厳選し、最高の技術と最良の用紙の使用など、現代印刷の粋を集約して再現したものです。
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