取り寄せ不可
谷 譲次『感傷の靴』/子母澤 寛『チコのはなし』/富士正晴『一夜の宿・恋の傍杖』
この街の空の下、
名もなき人生が動きだす
「ああ、日本人、ヘンリイも日本人、俺も日本人」――。カナダ兵として戦勝パレードに参加した同朋の雄姿を、「私」は感慨深く見つめた(谷譲次『感傷の靴』)。一人息子を戦争で亡くしたおときさんと捨て犬のチコ。心寄せ合うふたりの親子愛(子母澤寛『チコのはなし』)。「木ノ花さん、助けてよ。わたし今日、ほんとに困ってんの」。大柄な女性作家に絡まれ、強引に家に連れ込まれた小柄な男性編集者。一晩の駆け引きの顛末は…(富士正晴『一夜の宿・恋の傍杖』)。街角に明滅する人生のドラマ。
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