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平等・共有・セルフヘルプの社会理念に支えられた
北欧の豊かな“公共図書館文化”を余すところなく紹介!
充実した福祉で知られるデンマークが、図書館サービスにおいても世界のトップレベルにあるということをご存知だろうか? 本書では、著者が実際に訪ね歩いたデンマークの個性的な図書館の事例を紹介しつつ、北欧公共図書館の豊かな世界にみなさんをご案内するものである。
北欧各国は一貫して、格差のない平等な社会の確立を社会政策の中心課題として掲げてきた。その中にあって公共図書館は、情報への平等なアクセスを確保することによって、情報にかかわるギャップを埋める機関として社会的に認知され、生涯学習の拠点として住民から高い信頼を得ている。北欧では幼いころから保護者に連れられて公共図書館に行き、学齢期になると自ら学校図書館と親しむようになり、それから生涯にわたって図書館を利用するのだ。
本書は様々な角度からそうした北欧公共図書館の魅力を浮き彫りにするとともに、公共図書館の成熟に平等・共有・セルフヘルプといった北欧社会の理念が密接に結びついていることを明らかにする。必要な資料を利用者一人ひとりに手渡していくこと―この当たり前とも言える図書館の原点を、北欧の公共図書館は淡々と守り続けてきた。なぜなら、人は誰しも一冊の本を通じて自分と社会を変えていく力があるから。厳しい吹雪の中を「ブックモービル」を走らせて本を届けたり、フィヨルドの奥地まで「図書館船」を運航するといったサービスが続けられてきたのは、そうした可能性を社会全体で示していくためなのである。
本書には、誰もが一度は行ったことがある図書館の魅力を〈再発見〉するためのヒントがギュッと詰まっている。まずはページをめくりながら、北欧の図書館の世界を写真とともにゆっくり楽しんでください。
(著者 吉田 右子)
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