都と地方のくらし
いまを生きるジュニアたちに贈る、最新日本史全集
第2巻では、7世紀末から11世紀にかけての時代をあつかいます。時代区分でいえば、「奈良時代」、「平安時代」とよばれる時代です。この時代は、現在に生きる私たちにとって、たいへん大きな意味をもつ時代でした。まず、人びとが文字を積極的に学び、文字による本格的な記録をはじめたのは、7世紀後半のことでした。平安時代になると、漢字を変形させたひらがなやカタカナがつくられ、優れた文学作品がつくられます。また、この時代、国家は中国から律令という法律を学び、律令にもとづく政治をおこなうようになりました。こうして国家のしくみがととのうと、日本列島の社会も、形づくられていきます。各地には、それぞれの地域の特産物がうまれました。こうした特産物は、税として都にはこばれたり、交易品として各地に運ばれ、地域どうしの交流もさかんにおこなわれます。ヒトやモノの交流は、中国や朝鮮半島など、東アジア世界にもひろがっていきました。東アジアとの国際的な関係のなかで「日本」という国名がうまれたのもこの時代のことです。この本では、奈良時代、平安時代の意義を考え、現在の私たちがよりよく生きるヒントを探っていきます。
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