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これぞ周五郎!江戸町人の哀歓を描く短編集
現代劇から時代物、人生の暗部を冷徹に抉る重厚な作品からから軽妙洒脱なユーモアものと、ジャンル、作風を問わず多くの傑作を残した山本周五郎。時代物においても多彩な作品を残しましたが、何といっても周五郎の面目躍如たる世界と言えば、庶民の生活に寄り添って描かれた「町人もの」「下町もの」でしょう。それは商店の徒弟からキャリアをスタートさせ、「曲軒」と号し生涯文壇的栄誉を拒み続けた周五郎自身の生き方にも通ずるものがあるのかもしれません。名もない市井の男女の姿を同じ目の高さで活写した作品は、決して歴史に残ることのない彼らが確かにそこに息づいていたという生々しい存在感を感じさせます。
うらぶれた居酒屋に居場所を求める男達の素描「嘘ァつかねえ」、岡場所で交錯する秘密を持った男女を描く「夜の辛夷」、飛脚と宿の女の純愛を鶴の置物に託した「鶴は帰りぬ」、誰からも顧みられない少年と少女のほのかな思慕が哀切な「榎物語」、いい腕を持つがゆえにぐれてしまった植木職人のやるせない生き様「あとのない仮名」、長屋に生きる浪人と孤児、住民の交流をユーモアと感動で描く「人情裏長屋」、強欲な家主への長屋住人の抱腹絶倒の復讐劇「長屋天一坊」の全七篇を収録。選者は周五郎研究の第一人者・竹添敦子氏。
【編集担当からのおすすめ情報】
山本周五郎作品は多く映像化、舞台化されていますが、その第一人者と言えば、仲代達矢氏をおいて他にないでしょう。この仲代さんから、エッセイを特別寄稿いただきました。役者としての視点から見た周五郎作品の魅力、また亡き奥様で演出家、脚本家の隆巴さんと周五郎との関わりなど、ファン必読の一文を巻末に収録しました。ぜひご一読を!
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